2008-04-21

閑話休題。



仕事とプライベートで七転八倒しているため、更新タイミングが遅くなっています。ダメな大人のヨタ話を楽しみにしている奇特な皆様には、申し訳なく思っております。

さる御方から「最近競馬はやってないの?」とたずねられたので、なんのしっかり遊んでおりますとも! の証拠をup。買い方はワイド派から三連複派に変わってきましたけれど。ワイドで「3着までに来る馬を当てる」買い方を覚えたせいか、穴馬を引っ掛けるのが得意になってきました。まあ、良くも悪くも仕込まれましたからねえ。えっへん。

ちなみに観戦のおともにはニッカのドンピエールX・Oが最高!! なのですが、最近は土日に競馬場やウインズへ行くより、仕事場にいることがほとんどなので、ゆっくり競馬を楽しむなんて到底無理なのでした。がっくり。

2008-04-07

一億総萌え社会のペーソス:その参

あくまでも個人の戯言なので、真剣に読んで後悔しても悪しからず

「ガンダム」を軸に「世代」の話を続けてみる。
その壱では、「萌え」とは何か簡単に触れた。「ガンダム」で言えば、“いまだに一年戦争がどうとか言っている輩”とは、現役で萌えている輩であるということになる。その弐では、“ガンダムSEEDをガンダム原体験とする世代”が生まれている、ということへの驚きを記した。同じ「ガンダム」という単語を核にしながら、一年戦争世代と、SEED世代では、構成する層がまったく異質であることは、想像に難くない。(重なっている部分もあるだろうが-すくなくとも原体験という意味では、遡及して一年戦争世代が増えることもあるまい。)
何が言いたいのかというと。「ガンダム」は、「ガンダムに強い訴求力を感じる世代」を作り続けているということだ。もっと端的に言えば、「ガンダムに萌える輩」を、30年以上に渡って生み出し続けているわけである。TVアニメのシリーズ放映を核としつつ、漫画やゲームを展開。多くのスピンオフ作品を生み、そしてまたそれらを正史に取り込む。このあたりの手法は、ラヴクラフトと周辺の作家によって補完し合ったクトゥルー神話の成り立ちや、作家同士に競作させるマーヴルコミックスを想起させるものだ。
エンサイクロペディア・クトゥルフ DCvs(バーサス)マーヴル (JIVE AMERICAN COMICSシリーズ) X-MEN (1) (アメコミ新潮)

つねに新しいガンダムを作り出し、新しい顧客を生み出し続ける-。今や、メディアにガンダムが登場しない日はない。ガンダムがカルチャーとしての市民権を得て、いまや売り上げ500億とも1000億ともいわれる「ガンダム産業」市場を形成した要因は、ここにあるのだろう。ガンダム産業は、ガンダムを冠する作品を作り続け、ガンダムを知る世代を作り続けている。はたして、その戦略はいつまで成功を続けられるのか。
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巨大になり、肥大化し、一人歩きを始めた「ガンダム産業」は、自問したに違いない。そもそも「ガンダム」とは何か。そして、次のように考えたはずだ。
「富野由悠季無きガンダム」は「ガンダム」たりうるのかと-。


⇒その四へ続く。

2008-04-03

一億総萌え社会のペーソス:その弐

あくまでも個人の戯言なので、真剣に読んで後悔しても悪しからず

ホビーショップ店頭で。
「あー、俺このガンダム知らねー」。

はたして、“ガンダム”と聞いて「どのガンダム」を思い浮かべるだろうか?

当たり前のように“ガンダム”とは「1st(機動戦士ガンダム)」のことだと思う世代がいる一方で、そうではない世代もまた、確実に増えてきている。
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2002年10月5日-それは、今から5年以上を遡る。「機動戦士ガンダムSEED」の放映が開始された日だ。5年といえば、小学生が入学してから6年生になる頃。中学1年生であれば、高校2年生になれてしまう歳月だ。これはつまり、ガンダムSEEDをガンダム原体験とする世代が、簡単に見積もっても小中学生になっている、ということなのだ。ここに、とてもわかりやすいジェネレーションギャップ-世代の断絶が発生している。ちなみに彼ら"SEED世代"の親は"1st世代"だが、その次の世代("00世代" ということになるのか-)を形成する子供たちの多くは、"WING世代"を親に持つことになる。
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実は、それほど驚くことでもない。たとえば国民的スポーツと言われたプロ野球。王・長嶋、原、桑田・清原、野茂、イチロー、松坂……。近年の野球人気の低迷は、王・長嶋世代を知っている世代と、知らない世代の狭間・ギャップ・熱の差から生まれたものだとも考えられよう。たとえば私にとっては、プロ野球は広島カープであり、炎のストッパー・津田恒実であった。彼こそが求心力であり、彼の没後※、興味を失ったままだ。(※1993年7月20日没。32歳。脳腫瘍とされる)

サッカーはどうか。1993年の「ドーハの悲劇」をライブで体感していない、ワールドカップ出場が当たり前の世代がいる。フランス、日韓、ドイツ大会と出場しているので、13~15歳以下の世代は、ワールドカップが雲の上だった時代を知らないことになる。なんて幸せな-そして不幸なことだろう!

ビデオゲーム。任天堂スーパーファミコンに対抗する次世代マシン-このフレーズだけでいまだにわくわくする-SCEプレイステーションの発売は1994年12月3日。今から14年前だ。14歳といえば中学2年生。現代の中学生は、「生まれた時からPSのある世代」なのだ。隔世の感とはこの事である。同様に、プレイステーション2の発売は2000/3/3。生まれた時からPS2のある世代が、小学生の半数を超える計算になる。……。PSPで『モンスターハンターP2』を爆発的なヒットに牽引したのが、彼ら小中学生、"PS以後" の世代だ。
もう一度、投げたかった―炎のストッパー津田恒美最後の闘い (幻冬舎文庫) ドーハ以後―世界のサッカー革新のなかで (文春文庫) モンスターハンターポータブル 2nd G モンスターハンターポータブル 2nd

このように、様々な分野で確実に○○前、○○後、といった世代の壁がある。そして、これらの媒体や趣味嗜好の細分化が進むほど、その断絶=断片化は見えないところで、しかし確実に深化・進行を続ける。この趣味嗜好の細分化をインフレーション、世代の断片化をデフレーションと考えると、(-漫画、アニメ、ゲームといったカルチャー、仮にオタカルチャーと呼ぼう。-)オタカルチャーはスタグフレーションの時代に突入しているのかもしれない。

⇒その参へ続く。
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ちなみに私の場合、“ガンダム”とは「逆襲のシャア」を思い浮かべる。「1st」は、父のものという印象がある。